講義所感

率直に申して心配半分、期待半分で(受講を)始めました。しかし日本の事例を紹介しながら進められた講義に興味をそそりました。また大地震の当時、頭を下げて感謝を表してくださった時、なぜか胸がじんとしました。申し訳なかったことは、先生の紳士的なこのような行動に対してお応えできなかったので、とても惜しまれます。(以下略)(農業経済学科2年)
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根本様

韓国の地より、ずっと日本の被災地の復興をご心配いただき感謝申し上げます。

また。冷静なご判断で、隣人のようにご心配いただいている学生の皆様方に心より御礼申し上げます。ほんとうにありがとうございます。

私たちは、日本にいながら、このたびの震災が3ヶ月経った現在、どれだけの問題意識を持ち続けているでしょうか。

普通の生活の中、忘れてしまってはいないでしょうか。

さて、歴史に起こった数々の災害時の復興には莫大なお金が使われてきましたが、負の遺産ともなりうる可能性が明らかな建造物などがあることを、このたびの震災復興に活かして欲しいと願います。

今回も、被災地の行政機能がままならない現状をうまくすり抜け、復興を名目にした貪欲な利権がうごめくことを、政府が見過ごしては、今すぐに生活再建をすべき被災者の方々の本来の救済・復興にはなりません。

仮設住宅は1戸500万円で建てられていますが、2年で取り壊されます。とてももったいないと思います。

それなら、一人に1千万円程を直接手渡し、被災地の方々が自力で復興してもらったほうが、一番費用を少なく済ませることができて、しかも早く復興できると思いませんか?

工場が被害を受けて雇用されていた方々が離職を強いられている状態ですが、1人に500万円程をあてがえば、個人の判断と責任において会社再建に出資することもできて、再び仕事に就くことができます。

このたび20兆円の復興費予算であれば、50万人の被災者の方々に分けると1人4,000万円という計算になります。

被災地の方々の暮らしや命を最優先した決断をして、被災者自らの復興を促すことが、自然や災害と共生して暮らしてきた土地やコミュニティーとのつながりに、愛着をもち続けたままのまちとして再びつくりあげることができるのではないかと強く感じます。
震災前のように、ここで一緒に暮らし続けたいのです。
その想いを、我慢し続けることで、共に生きていきたいという希望を失わない前に、迅速に対応していただきたいと願います。

国や行政は、それを見守り、被災者の方々が必要性があると要望するライフラインやインフラ整備などの手助けをすれば良いのではないのでしょうか。

コンサルタントに貴重な時間や多額の費用をかけても、コミュニティーが崩壊され、負の遺産を増やし、被災者の方々の希望を失う結果になりうる可能性が高い。ならば、優秀な人材を国が現地に派遣して、多岐に亘るマネジメントを機能させ、それぞれの役割を整理して分担すれば、連携を図った迅速な復興・再建が可能になると考えます。

また、NPOをはじめとするボランティアが、被災地に行くための費用を国が支援することも必要です。

隣国からと日本に暮らす私たちが、共に、被災者の方々の生活や命を最優先した、被災地の迅速な復興・再建を願った熱いエールを届け、もどかしさを感じながら冷静に見守っていることに早く気づいて下さい。

参考:政策分析ネットワーク 公共政策シンポジウム 第12回政策メッセより