個人情報保護法の取り扱いが、市民生活を困難にする例が後を絶たない 週間法律新聞より一部転載

 NPO法人「高齢者を良くする女性の会(理事長=樋口恵子氏・東京家政大学名誉教授)」は9月27日、個人情報保護法について過剰反応を防ぐよう求める「個人情報保護法の運用に関する要望書」〜地域の助けあいをすすめるために〜とした要望書を、消費者庁長官、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)、厚生労働大臣に提出した。
 地域における住民同士の支え合い・助け合いをすすめるために、同法運用に関する適切なあり方について、さらなる指導と対応を要望するものだ。
 超高齢化がすすみ、高齢者を中心に独居化・核家族化が増える「無縁社会」。いわゆる孤立死の要因ともなっているという。

 当会では、全国各地のグループ会員が、近くに血縁がいなくても安心できる地域づくりをめざし、見守り、緊急時災害時対応などの活動に取り組んできた。
 このような実践の中で、個人情報保護法を理由に、行政機関、医療・福祉施設などが、必要な情報の開示を拒み、助け合い活動を阻害する事例に出会ったそうだ。

 政府関係機関が、同法の正しい運用について、過剰反応などないよう通達・研修を繰り返し、相談内容の分析・公表など努力を重ねていることにもかかわらず、その趣旨がいまだに徹底せず、住民みずからつくろうとした地域のきずなが断ち切られる危険にさらされている現状がある。

 もとより「個人情報保護法」の本来の趣旨に反するものではなく、地域における新たなきずなづくりを阻害しないよう、さらに不適切事例の原因等を精査・分析をすすめ、相談窓口を設置し、とくに地方行政、医療、福祉などの専門機関への周知徹底をお願いするという内容である。

 地域活動の現場では、このような場面にであうことが少なからずある。望まれる地域の支え合い活動が阻害されないようにはならないだろうか。