性犯罪被害者支援ワンストップセンター「性暴力救援センター」続々開設 H24年7月1日発行「日弁連新聞」より一部転載

 今年6月12日、政府は性犯罪被害者が相談・治療・カウンセリング・警察への届け出・弁護士への相談等を一カ所で受けられる「ワンストップセンター」を増やしていくことを盛り込んだ「犯罪被害者白書」を閣議決定しました。
6月1日には、「性暴力救援センター・東京」が発足し、7月には佐賀県でも県の事業として開設されます。

◆24時間体制での支援 
 これに先立つ取組として、2010年4月から受付を開始した、「性暴力救援センター・大阪(SACHCO)」は、大阪府松原市の阪南中央病院内に設置され、性暴力被害に対する総合的支援を主な目的とする。講座を受講し、面接、実習を経て登録した40人ほどの支援員が、24時間で対応にあたる。2010年度の電話相談件数1463件に対し、2011年度は3372件と2・3倍に激増している。多いときには、月間で300件以上の電話があることから、支援員はまだまだ足りない。
現在SACHICOは、民間任意団体が寄付金で運営している。1回目の診察と5回のカウンセリングは無料である。入院費用、中絶費用、弁護士相談料については貸付性としているが、返済されない場合もある。何らかの公的支援が待たれる。連携をしている弁護士は26人(内男性1人)。

性暴力救援センター・大阪
http://homepage3.nifty.com/wco/sachico/index.html

◆「ハートフルステーション・あいち」は、2010年度「警察庁」のモデル事業として、大雄会第1病院内に開設され、翌2011年度からは愛知県警が引き続き運営している。活動拠点には、女性警察官と民間支援団体から派遣されている女性支援員が常駐している。支援員の人件費も県警の予算で賄われているため、スタッフの人件費については公費負担が実現されている。

ハートフルステーション・あいち
http://www.pref.aichi.jp/police/soudan/heartful/heartful.html

◆韓国の性暴力被害者支援制度
 支援制度が進む韓国では、性暴力被害を受けた児童等からの聴き取りに際し、「陳述録画」が行われている。録画がそのまま裁判の証拠になるので、被害者が事件のことを何度も話さなくて済む。

◆その他のセンター
レイプ クライシス センター TUBOMI
http://crisis-center-tsubomi.com/about_tsubomi.html

関連記事 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0515/TKY201205150234.html

関連記事 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20120602-OYT8T00203.htm